2010年 07月 01日
こわこわの男 |
いつものように楽しく散歩してたんだ。リード外してもらって、ソーラを追いかけたり、パトロールしたり、走ったり、時々モデル稼業もこなしてさ。
ほんとに楽しかったんだ。怪我もほぼ治ってきて、自由に動き回れるっていいなあ、幸せだなあって思いながらね。
でも、せっかく楽しかったのに、突然、やつが来たんだ。ううん、やつが来ることがわかっちゃったんだ!
「どうした、ワルテル? 急にテンション下がっちゃって」
父ちゃん、あれが来るんだよ。ぼくたち、人間みたいに鈍感じゃないからさ、わかりたくないこともわかっちゃうんだ。
空気がぴりぴりしてきたよ。気圧っていうやつ? あれがどんどん下がっていくのがわかっちゃうんだよ。
「ああ、雷が来るのか。それでこわこわの男になっちまったのか」
父ちゃん、空を見上げて呟いたんだ。やっとわかってくれたんだ。
「ワルテル、ソーラを見習えよ。雷が来ようが花火が鳴ろうが、ソーラはいつも爆睡してぴくりともしないぞ」
ソーラは神経が図太いんだよ。でも、ぼくは繊細な男なんだ。雷も花火も大嫌いなんだ。こわこわでしょうがないんだ。
父ちゃん、早く帰ろうよ。雷が来る前に家に入ろうよ。
「だけどおまえ、家にいたって雷は鳴るし、どっちにしたってこわこわになるのは一緒だろう?」
いいから早く帰ろうってば。
父ちゃんせっついて散歩途中で切り上げて、車で帰る途中、やっぱりやつが来ちゃったよ。突然雨が降り出して、遠くでピカッて光って、それからごろごろごろ~って恐ろしい音が鳴り響いて……
ぼく、怖くて固まったまま動けなくなっちゃった。
このところ、毎日やつが来るんだよ。父ちゃん、あいつをやっつけてよ!!
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←雷のシーズンが早く終わるよう、みんなのぽちりがお祈り代わりです!
by walterb
| 2010-07-01 09:41
| 日常