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2008年 03月 04日
![]() 本来なら、5時半のシャトルバスでドノスティアを離れるはずだった。しかし、Arzacでの時間が楽しすぎてそのバスを乗り過ごし、結局、2時間遅れでビルバオに到着した。 バスク自治州の州都、ビルバオはグッゲンハイム美術館以外、ほとんど見るべきものはない。古くからの工業都市で、スペイン中から人が集まり、その分、バスク色が薄くなっているからだ。 だから、ビルバオでの滞在はたったの半日。空港が別の場所にあれば、訪れることもないのかもしれない。 それでも、朝日を浴びるグッゲンハイム美術館は美しい。 緑濃い自然の景観に対抗しようと、人間が英知の限りを尽くして建てたからだろうか。 ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() 人気ブログランキングへ ←長かったバスク滞在記もこれで終わりです。ぽちりお願いします。 Tags:#EF-S 10-22mm
2008年 03月 04日
![]() ドノスティアに旅したら、必ず訪れたいレストランがある。 Arzac(アルサック)。ドノスティア市内にある、唯一のミシュラン三つ星レストランだ。 東京でもパリでも、三つ星を謳うレストランに行く時は緊張を強いられる。服装は大丈夫か? テーブルマナーに落ち度はないか? 他のことが気になって肝心の料理は上の空で味わうことになる。 Arzacではそんな心配はいらない。この日も、薄汚れたジーンズにセーター姿、くわえ煙草の若いお兄ちゃんがガールフレンドを伴ってやって来ていた。バイト代でも入ったのか。それで彼女に豪勢な食事を奢るのか。でも、服にまでは金が回らなかったんだな、君。いいね。 そんな感じで気さくに訪れることができる。 しかし、そんなことは二の次だ。気さくさだけを褒めたら、グランシェフのエレナだって怒り出すだろう。Arzacが素敵なのは、なんと言っても食い物が抜群に旨い。それに尽きる。 Arzacのメニューにあるのは、断じてバスク料理ではない。Arzacの創作料理。そうとしか呼べない。 むろん、根底にあるのはバスクの伝統料理なのだろうが、味を極め、極め、極めていったら伝統だの文化だのはたいした意味を持たなくなりました。そんな料理が出てくる。 頼んだのは「お試しコース 150ユーロ」。店の自慢の皿を、若干少なめのポーションでいくつも味わうことができるものだ。 まずはバスク名物のピンチョスが運ばれてくる。ただのピンチョスではない。味と食感にこだわり抜いた極上のピンチョスが舌の上で踊る。 続いてはフォワグラの脂を染みこませた煮リンゴ。オマール海老。さらにブロンズ像のように仕立て上げられたアンコウと続く。 肉は鹿――ベニソンを頼んだ。 食事が済んだら、3種類のデザートが一皿ずつ、ゆっくり運ばれてくる。 我々が入店したのは午後1時半。店を後にしたのは午後6時。4時間半の、天国のようなランチ。 ここと同じ幸せを与えてくれるレストランを、わたしは他の一軒しか知らない。それは赤坂にあるのだが、店の名前は伏せておこう。わたしの大切な一軒なのだ。 帰国して一週間も、いや、三日も経てば、わたしは決まってArzacの夢を見る。優しい笑顔を持った2児の母親でもあるエレナの作りあげる料理に枕を涎で濡らす。 Arzacはまさに、夢のレストランだ。 予算はひとり150ユーロ、プラス飲み物代。リーズナブルなワインもそろっている。 もし、ドノスティアを訪れることがあるなら、Arzacの前を素通りしてはいけない。 ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() 人気ブログランキングへ ←夢のレストランにぽちりお願いします。 Tags:#EF-S 17-55mm
2008年 03月 02日
![]() あっという間に時間が過ぎ去り、気がつけばもう帰国の日だ。 ワルテルに会える。ソーラに会える。わたしも連れ合いも浮き足立っている。 ソーラはまだヒートが終わらないので、軽井沢に一緒に帰ることはできないが、また、犬中心の生活に戻るのだ。 体重計には乗っていないが、多分、3キロは優に太っただろう。胃を元の大きさに戻さねばならない。体重も落とさねばならない。ワルテルに付き合ってもらおう。あいつと一緒に走り回っていれば、体重はすぐに落ちる。 次の更新は3月4日からになる。再びワルテルたちが中心の犬ブログに戻るが、ドノスティアにある夢のレストラン。ビルバオにあるグッゲンハイム美術館などなど、撮り溜めた写真がまだまだあるので、それもおいおい公開していくつもりだ。 ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() 人気ブログランキングへ ←ぽちりお願いします。 Tags:#EF-S 17-55mm
2008年 03月 01日
![]() バスクの地酒にはチャコリとシードラがある。前者は微発泡の白ワイン、後者はリンゴを使ったこれも微発泡酒だ。両者とも安価だが旨い。 シードラの醸造所をシドレリアと言うのだが、その年のシードラができあがった頃、各シドレリアではその年の新酒を楽しむために醸造所が解放される。たとえば、ひとり25ユーロで新酒飲み放題、おまけに、炭火で焼いたステーキを中心にした食事が供されるのだ。 シドレリアではまず、巨大な樽がいくつも鎮座した貯蔵所にグラスひとつで放り込まれる。栓を抜いた樽からシドレリアが流れてくるのだが、それをグラスで受け止めるのだ。 恰幅のいいバスク人たちは樽から樽へと移動し、次から次へとシードラを胃に流し込む。樽によって微妙に味が違うため、その飲み比べをするのだ。 我々が到着した午後9時頃はまだ静かだったが、10時を過ぎる頃にはそこら中に酔っぱらいができあがり、大声で話し、時に歌い、広いシドレリアは喧噪に充ち満ちてやかましいほどだ。 我々も地元の人間たちの見よう見まねでグラスでシードラを受け止め、試飲を繰り返した。ある樽は酸っぱく、ある樽は甘く、別の樽はこくがある。 供された料理は酸味のあるソーセージ。バカラオ(塩漬けの干しだら)を使ったオムレツ。焼いたバカラオの上にバスク産の青唐辛子とタマネギを香ばしく炒めたものを振りかけた皿、そして、1キロは優に超えているステーキだ。 なんとかステーキを平らげ、そろそろ帰ろうかと話していたら、新しいステーキが運ばれてきた。 4人で1キロのステーキが2皿。 ごめんなさいっ!! 我々はそう叫び、逃げるようにシドレリアを後にした。 ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() 人気ブログランキングへ ←ステーキは赤身でとても美味しかったのだけれど、まあ、とりあえずぽちりお願いします、 Tags:#EF-S 17-55mm
2008年 03月 01日
![]() ![]() 今日は車で再びフランスバスクに戻った。7時間をかけて、「山バスク」と呼ばれる地方を走破する。 えー、ちゃんと仕事はしておるわけだ。 ドノスティアでもノーリードで犬を連れ歩く人が目についたが、田舎に行けば行くほど、リード付きの犬は見かけなくなる。ノーリードで散歩どころではなく、飼い主はどこにいるのか、車に轢かれたりしないのかと心配になるほど、犬たちは自由気ままに街を闊歩している。牧羊犬は羊を追い回さなければならない時間が来るまで、惰眠を貪っている。 躾がしっかり入っているのだ。飼い主と犬との間に、強固な絆が結ばれている。羨ましいことしきり。ワルテルはおそらく、ある条件下ならノーリードでも安心できる。その条件とは周囲1キロ以内に牝犬がいない、ということだ。牝犬の匂いを嗅ぎつけた瞬間、あの野郎の頭の中にはわたしは存在しなくなる。 閑話休題。 カンボという田舎町でレストランを探している時、バーニーズが我々の目の前に現れた。ノーリードで、近くに飼い主の姿は見あたらない。わたしが呼ぶと、彼は破顔して尻尾を振り「撫でてくんろ」と言いたげにわたしに近づいてきた。 途端に、ワルテルとソーラに会いたくてしかたなくなった。この、緑豊かな丘に囲まれた山バスクで、彼らと暮らしたくてしょうがなくなった。 ![]() ![]() ![]() ワルテル、ソーラ、元気か? 会いたいよう。 ![]() 人気ブログランキングへ ←寂しい父ちゃんのために、ぽちりお願いします。 Tags:#EF-S 17-55mm
2008年 02月 29日
![]() ![]() ![]() ![]() もう食えない。食い過ぎた。晩飯は抜くぞ。これ以上食い続けたら腹が破裂する。 食後にはいつもそう思う。 だが、悲しいかな、時間が経過すれば腹が減る。そしてここは欧州一の美食の都だ。食欲を刺激するものには事欠かない。 夜、郊外の村にひっそりと佇む「スベロア」というレストランに行く。築600年の建物を上品に改装した店に溜息をつき、心のこもったサービスに頬がほころぶ。 ドノスティアには食の最先端を行くバル、レストランが多いが、スベロアはバスク伝統料理を基本にした皿を出す。自制しようと決めていたはずなのに、出てくる皿を片っ端から空にしていく自分がいる。止められない。やめられない。 もうだめだ。もう食えない。腹が破裂する。 重たい身体を引きずって帰ろうとすると、シェフが出てきて店の由来やバスクの伝統文化について、こちらから訊ねたわけでもないのに、事細かに話しはじめた。 わざわざ遠方から自分の料理を食べに来てくれた客に対する、それが彼らのもてなし方なのだ。一見の客のために、わざわざグランシェフが挨拶に来てくれる日本のレストランがどこにあるだろう? 言葉がわからない外国人に、懇切丁寧に自国の誇り高い伝統文化を語る民族がどれほどいるだろう。 腹は破裂寸前だ。だが、実に気分がよい。 ああ、そうだ。この地では、ベロが発達しているということで、日本人が特別視されているという現実がある、ということは書き加えておこう。バスク人は日本人を、ベロを通した兄弟のように思っているのかもしれない。 ![]() ![]() ![]() 人気ブログランキングへ ←ぽちりお願いします。
2008年 02月 29日
![]() ![]() ビアリッツからローカル線に乗って30分もすると、スペインのイルンという街にたどり着く。そこからタクシーで20分。スペイン語でサン・セバスチャン、バスク語でドノスティアと呼ばれる街に至る。 わたしは、ドノスティアという言葉の響きが好きだ。 ホテルに荷物を放り込み、待望のバル巡りに繰り出す。それぞれのバルがそれぞれ自慢のピンチョス(小皿料理)を供してくれる。日本で言えば、屋台ってところか。 ドノスティアにはミシュラン三つ星を誇るレストランがいくつかある。ミシュランなんぞクソ食らえだが、もちろん、それらのレストランは折り紙付き。しかし、ドノスティアの楽しみは形式張ったレストランではなく、このバル巡りにある。いくつものバルを梯子して、それぞれの名物ピンチョスを食い歩くのだ。 断言しよう。ドノスティアはヨーロッパ1の美食の都だ。フランス料理? イタリア料理? お呼びじゃない。 もうひとつ断言しよう。 ドノスティアのピンチョスの、この繊細な味を隅々まで味わえるのは、世界広しと言えども、ドノスティア人と日本人だけである。味と食感の類い希なるハーモニー。だれにでもわかるというものではない。 くそったれな国だが、しかし、諸君、我々は世界一のベロに恵まれた国民ではあるのだ。 わたしはそのベロを駆使して、ドノスティアという街を堪能する。 ![]() ![]() ![]() ![]() 人気ブログランキングへ ←ぽちりお願いします。 Tags:#EF-S 10-22mm
2008年 02月 28日
2008年 02月 28日
2007年 10月 31日
なぜセビージャに来たのかと言えば「なんとしてでもホームスタディアムでセビージャFCの試合が見たい」という連れ合いの願いを叶えるためである。
わたしが愛するのはバルセロナFCだが、カンプ・ノウではもう何度も観戦している。よろしい、ここはセビージャに飛ぼうということになったのは、なにも、わたしが妻思いだからなわけではない。 この夜行われた試合がセビージャ対バレンシアという、スペインリーグでも屈指の好カードだったからだ。 奇しくも、この試合のほんの数日前、セビージャをヨーロッパの強豪とも互角に渡り合える好チームに育て上げた名伯楽、ファンデ・ラモスがチームを離れ、イングランドのトッテナムの監督に就任するというニュースが発表されたばかりだった。 選手たちは監督の裏切りに落胆していないか。監督を失ったチームに流動性は残されているか。不安を胸に抱えながら、我々はスタディアムへ向かった。 不安は見事に裏切られた。選手たちは果敢にピッチを駆け回り、試合を支配した。スタンドに陣取ったペーニャ(サポーター)たちは、監督が裏切ってもおれたちは決して選手を裏切ったりはしないと、試合の間中、歌い続けていた。 セビージャ、セビージャ、セビージャー!!! ここのところリーグで低迷していたセビージャは、ペーニャの声援に後押しされ、見事、3-0でバレンシアを一蹴した。 ああ、気分がよい。わたしはセビージャのファンではないが、ホームチームが勝つことほど気分のいいものはない。スタディアムの内も外も、幸せな気分が横溢する。右を見ても左を見ても、振り返っても、目に映るのは笑顔、笑顔、笑顔。誇りに満ちた笑顔ばかり。試合の内容よりも、その気分に浸りたくて、幸せのお裾分けをしてもらいたくて、わたしはヨーロッパのサッカースタディアムに出かけるのだ。 翌日、今度はバレンシアの名将、キケ・フローレスが解任されたというニュースがスペイン中を駆けめぐった。プロの世界はとかく厳しい。 ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() というわけで、スペイン滞在記はこのエントリーで終了する。 次の更新は11月3日からの予定。 ブログタイトルも若干変更する予定である。 ああ、ワルテルに会いたい。それから……それから……わたしの新しい家族にも、早く会いたくてたまらない。 人気ブログランキングへ ←寂しがっているワルテルのためにも、ぽちりお願いします。 < 前のページ次のページ >
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