2009年 10月 16日
4年が経ち…… |
最近の父さん、目を細めてにこにこしながらわたしを見つめるの。
どうしたの? どうしてわたしを見てるの? って訊いたら、
「仕種や表情がどんどんマージに似てくるな、ソーラ」
って言うの。
わたしとマージは見た目も体型も全然似てないの。だけど、ご飯を待ってる時や拗ねた時、女の子特有の表情や仕種するんですって。ワルテルはいばりん坊の男の子だからそういうところ全然違ってて、ワルテルはワルテルでかまわなくて大好きなんだけど、父さん、やっぱり女の子が好きみたいなの。
父ちゃんは想い出を美化してるんだ!
ってワルテルは言うの。
マージ、怖かったんだぜ、超怖かったんだぜ。マージがガウガウ言うと、ぼくなんか、部屋の隅でぶるぶる震えてたんだぜ。
って、ワルテル、マージのこと思い出しながらいまだに震えるの。母さんが時々、「ワルテルが悪いことばっかりするからマージが来たわよ」って言うと、きょろきょろして挙動不審になるの。
でも父さんは、マージは可愛くて頑固で父さんのことが大好きなとっても素敵な子だったんだって言うの。
マージってどんなお姉さんだったのかしら?
昨日の夜、父さん、寝る前にわたしのことぎゅってハグしたの。たくさんたくさん撫で撫でしてくれたの。そして言ったの。
「ソーラ、幸せになろうな。マージよりもっともっと幸せになろうな。父さんが幸せにしてやるからな」
そんなこと言わなくても、わたしこのお家に来た時からずーっと幸せなのに、変なの。
マージ、マージ、天国のマージ、父さんと母さんは相変わらずなの。ワルテルはおじさん臭くなっていばりん坊なの。わたしは幸せなの。父さんと母さん、10月になるとめそめそして、でも、マージの命日が過ぎるといつもの父さんと母さんに戻って、わたしたちのこと、たくさんたくさん可愛がってくれるの。
マージも幸せだったのね。わたしとおんなじぐらい幸せだったのね!
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by walterb
| 2009-10-16 09:05
| 日常