2010年 01月 31日
New Camera |
もうレンズのタグで気づいている人もいると思うが、先週末辺りから新しいカメラで撮影した写真をエントリーしている。
Canon EOS 7Dというカメラだ。
昨年末、わたしがこれまで使ってきたEOS 1D Mark IIIの後継機種、Mark IVが発売された。それを入手した友人のカメラマンが「化け物に変貌した」と絶賛していたこともあり、いずれわたしもMark IVに買い換えるのだろうとぼんやり思っていた。
だが、ある日、考えが変わった。1Dシリーズはプロ用にキヤノンが開発しているカメラで、その吐き出す写真は素晴らしい。ボディの耐久性もぬきんでている。しかし、その分、重いのだ。
一脚を駆使するスポーツフォトグラファーや三脚にセッティングしてじっくり構図を決める風景カメラマンなら重さなどさほど苦にならないだろう。
しかし、わたしはカメラとカメラバッグを担ぎながら犬たちと行動し、写真を撮らなければならない。時にはワルテルと一緒に走りながらシャッターを切るのだ。
Mark IIIはボディにレンズを装着すると2キロ前後の重さになる。対して7Dは1キロちょっとだ。
どうする? どうするよ、おれ?
1Dシリーズから7Dに移行すれば、ボディの堅牢性、画質、レスポンス、あらゆることに不満を抱くだろうことはわかっていた。
しかし、それでも機動性の向上は魅力的だった。
50Dというカメラも持っているのだが、それを使うことはほとんどなかった。機動性はいいのだが、画質とレスポンスにまったく納得がいかなかった。50Dはあくまでも、1Dが故障したときの保険にすぎなかった。
だが7Dは、少なくともカタログスペックを見る限り、なんとかなるのではないか。
迷いに迷った挙げ句、7Dを購入した。
はじめの一週間は不満たらたらだった。でかすぎるファイルサイズ――こんな高画素いらねえよ、無理に画素数あげるから暗部ノイズ出まくりじゃねえか!! ダイナミックレンジが狭い――ここで白が飛ぶか? 黒が潰れるか? やはり1Dに比べると遅いレスポンス――ああ、苛々する!!
しかし、今ではそんな不満を抱くこともない。わたしという写し手が7Dというカメラに慣れたのだ。ダイナミックレンジが狭くても、白を飛ばさない、黒を潰さない写し方がある。暗部ノイズが気になるなら、なるべくノイズが出ないような撮り方をすればいい。レスポンスが若干遅いなら、そのことを頭にインプットしてシャッターを切ればいい。
写真で大切なのはそこになにが写っているのか、だ。なにで撮ったかはどうでもいい。7Dはワルテルとソーラの喜びを切り取ってくれる。わたしの彼らへの愛情を写し込んでくれる。それで充分だ。
7Dは軽快だ。下位機種――KISSシリーズや40D、50Dから移行してきた人たちは重く感じるらしいが、わたしにはプラスティックでできた玩具のようなものだ。超広角レンズを装着し、ワルテルと併走し、右手だけでカメラをホールドしてシャッターを切る。1Dでは絶対にできなかった写し方ができる。
ああ、楽しい。
久々に、初めてデジタル一眼レフを手にしたときの喜びを感じながら写真を写している。
画質とレスポンスを捨てた代わりに、わたしは自由を手に入れたのだ。
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by walterb
| 2010-01-31 09:30
| 写真