2007年 06月 02日
引っ張り紐とぬいぐるみのボール |
夕方、いつもと同じように、父ちゃんとドッグランへ行った。昨日も少なかったけど、今日も、少ないよ。ウナとナッシュのミックス姉弟、それにビーグルのリキとマックス、黒ラブのパティとライナス親子しかいない。
前にも言ったと思うけど、ウナは匂い嗅ぐと怖い顔で怒るし、パティはライナスが口にくわえてるボールに夢中で、ぼくのこと相手にしてくれない。
だから、ひとりであちこちの匂い嗅いで、マーキングして時間潰してたんだ。
ランの中のパトロールを一通り終えて、父ちゃんのところに戻ったのさ、ぼく。そしたら、父ちゃん、素敵なものを持ってたんだ。太い紐が輪っかになったやつ! 口にくわえて引っ張りっこするやつ!! ぼくの大好きなやつ!!!
「ワルテル、違う、違う。これ、ナッシュの玩具だって」
父ちゃん、なにか言ってたけど、もう、ぼくの耳には届かないよ。だって、引っ張り紐だよ。引っ張りっこだよ。ぼく、大好きなんだよ!!
ジャンプして、紐をくわえて、引っ張る、引っ張る、引っ張る!! 楽しい、楽しい、楽しい!!
ナッシュが唸りながら走ってきて、引っ張り紐取り返そうとしたけど、ぼく、逆に吠えて唸って牙剥いて、ナッシュを追い払ってやった。えっへん。これで、この引っ張り紐はぼくのもんだ。
せっかくの引っ張りっこなのに、父ちゃん、10分ぐらいすると「もうだめだぁ、疲れたぁ」って言って、遊ぶのやめちゃった。つまんないの。父ちゃん、もっと身体鍛えなきゃだめだよ。おぢさんなんだから。
しばらくひとりで引っ張り紐噛み噛みして遊んでたんだけど、やっぱりひとりじゃつまらないから退屈になって、ぼく、またパトロールをはじめたんだ。変なやつの匂いはないかな? ぼくたちの縄張りに入ってくる悪い犬はいないかな?
そうしたら、アメリカン・コッカーのアリスが遊びに来た。アリスは新入りで、まだ犬同士で遊ぶことに慣れてなくて、いっつも父ちゃんか母ちゃんに張りついてる。そのアリスがさ、ぼくたちから少し離れたところでアリスの父ちゃんと遊びはじめたんだよ、ボールで。
ぼく、あんまりボールには興味ないんだ。たまに父ちゃんがボール持ってきて、投げて、取ってこいって言うけど、一回か二回で飽きちゃう。それに、ぼく、父ちゃんのところにボール持っていかないんだよ。
「バーニーズにはリトリーブの才能はまったくないな」って父ちゃん、呟いてる。ぼくがもっともっと子供だった時に、一万回ぐらい教えようとしたんだって。無理だったんだって。
それはともかく、アリスのボールがぼくの足元に転がってきたんだ。なんだよ、ボールなんて……最初は無視しようと思ったんだけど、あれ? あれれ!?
このボール、ぬいぐるみみたいじゃん。柔らかくてふかふかしてて。ぼく、ぬいぐるみも大好きなんだ。昔、父ちゃんが買ってきてくれたぬいぐるみ、五分で破壊したぐらいなのさ。奥歯で噛むんじゃなくて、前歯の犬歯のところで噛み噛みして、布引き裂いて、中の綿をほじくりだすんだ。最高に楽しいんだぜ。
アリスのボールはぬいぐるみみたいだった。だから、アリスが「それ、わたしのよ」って顔をしてぼくのこと見つめてても、ぼく、知らんぷりしてボール独り占めにしたよ!!
アリスの父ちゃんも母ちゃんもぼくのこと好きだから、怒らないんだよね。「アリス、ワルテルにボール取られちゃったなあ」なんて言って笑ってる。
だから、ぼくは噛み噛み、むしゃむしゃ。中の綿を取り出そうと夢中になってたら--。
「ワルテル、それ、アリスのだろう!!」
父ちゃんに大目玉食らって、ぼく、ドッグランの一番端まで走って逃げちゃった。
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前にも言ったと思うけど、ウナは匂い嗅ぐと怖い顔で怒るし、パティはライナスが口にくわえてるボールに夢中で、ぼくのこと相手にしてくれない。
だから、ひとりであちこちの匂い嗅いで、マーキングして時間潰してたんだ。
ランの中のパトロールを一通り終えて、父ちゃんのところに戻ったのさ、ぼく。そしたら、父ちゃん、素敵なものを持ってたんだ。太い紐が輪っかになったやつ! 口にくわえて引っ張りっこするやつ!! ぼくの大好きなやつ!!!
「ワルテル、違う、違う。これ、ナッシュの玩具だって」
父ちゃん、なにか言ってたけど、もう、ぼくの耳には届かないよ。だって、引っ張り紐だよ。引っ張りっこだよ。ぼく、大好きなんだよ!!
ジャンプして、紐をくわえて、引っ張る、引っ張る、引っ張る!! 楽しい、楽しい、楽しい!!
ナッシュが唸りながら走ってきて、引っ張り紐取り返そうとしたけど、ぼく、逆に吠えて唸って牙剥いて、ナッシュを追い払ってやった。えっへん。これで、この引っ張り紐はぼくのもんだ。
せっかくの引っ張りっこなのに、父ちゃん、10分ぐらいすると「もうだめだぁ、疲れたぁ」って言って、遊ぶのやめちゃった。つまんないの。父ちゃん、もっと身体鍛えなきゃだめだよ。おぢさんなんだから。
しばらくひとりで引っ張り紐噛み噛みして遊んでたんだけど、やっぱりひとりじゃつまらないから退屈になって、ぼく、またパトロールをはじめたんだ。変なやつの匂いはないかな? ぼくたちの縄張りに入ってくる悪い犬はいないかな?
そうしたら、アメリカン・コッカーのアリスが遊びに来た。アリスは新入りで、まだ犬同士で遊ぶことに慣れてなくて、いっつも父ちゃんか母ちゃんに張りついてる。そのアリスがさ、ぼくたちから少し離れたところでアリスの父ちゃんと遊びはじめたんだよ、ボールで。
ぼく、あんまりボールには興味ないんだ。たまに父ちゃんがボール持ってきて、投げて、取ってこいって言うけど、一回か二回で飽きちゃう。それに、ぼく、父ちゃんのところにボール持っていかないんだよ。
「バーニーズにはリトリーブの才能はまったくないな」って父ちゃん、呟いてる。ぼくがもっともっと子供だった時に、一万回ぐらい教えようとしたんだって。無理だったんだって。
それはともかく、アリスのボールがぼくの足元に転がってきたんだ。なんだよ、ボールなんて……最初は無視しようと思ったんだけど、あれ? あれれ!?
このボール、ぬいぐるみみたいじゃん。柔らかくてふかふかしてて。ぼく、ぬいぐるみも大好きなんだ。昔、父ちゃんが買ってきてくれたぬいぐるみ、五分で破壊したぐらいなのさ。奥歯で噛むんじゃなくて、前歯の犬歯のところで噛み噛みして、布引き裂いて、中の綿をほじくりだすんだ。最高に楽しいんだぜ。
アリスのボールはぬいぐるみみたいだった。だから、アリスが「それ、わたしのよ」って顔をしてぼくのこと見つめてても、ぼく、知らんぷりしてボール独り占めにしたよ!!
アリスの父ちゃんも母ちゃんもぼくのこと好きだから、怒らないんだよね。「アリス、ワルテルにボール取られちゃったなあ」なんて言って笑ってる。
だから、ぼくは噛み噛み、むしゃむしゃ。中の綿を取り出そうと夢中になってたら--。
「ワルテル、それ、アリスのだろう!!」
父ちゃんに大目玉食らって、ぼく、ドッグランの一番端まで走って逃げちゃった。
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by WalterB
| 2007-06-02 11:39
| 日常