2008年 08月 09日
ソーラが行った朝 |
だれかの車が家の敷地の中に入ってきて、ぼく、ワンワンワンって吠えたんだ。車が停まってドアが開いたら、知ってる匂いがしてきたよ。
犬舎のIさんとAさんだったんだ。
そしたら、嬉しいのと嫌なのが一緒にやって来て、ぼく、軽くパニック。
Iさんに飛びついてオシッコもらして、それから部屋の中を意味もなくうろうろうろうろしたんだ。
嬉しいのはIさんとAさんに会えたこと。嫌なのは、もしかしてまたぼくだけ犬舎に連れてかれるんじゃないかってこと。
だからぼく、精一杯アピールしなきゃならなかったんだ。
ね、ね、ぼくは父ちゃんが大好きなんだよ。ぼくの家はここなんだよ。ぼく、すっごくいい子なんだよ。
だから、連れてかないで~っ!!!
ソーラもね、ちょっと前まではIさんとAさんが来ると喜んで尻尾ぶんぶんだったのに、父ちゃんのそばにくっついて離れないんだ。
Iさんがトイレに行って姿が見えなくなると、ぼくとソーラ落ち着いたよ。でも、Iさんが戻ってきたら、また、じたばたじたばた。
この前の短い夏休みで犬舎に行った時もね、父ちゃんが車に荷物取りに行ったり、浜名湖の写真撮りに出て行くたびに、ぼくとソーラ、玄関のところに張りついて父ちゃんの後ろ姿いつまでも見つめてたんだ。
置いてかないでーってオーラ出しながら。
犬舎は好きだけど、でもやっぱり、父ちゃんと離れるのは嫌なんだ。
Iさんたち、父ちゃん母ちゃんとしばらくお話してから席を立ったんだ。やばいよ、やばいよ、やばいよ~、またぼくだけ連れてかれちゃうよ!!!
って思ったら、父ちゃん、ソーラのリードだけ出したんだ。
ソーラ、ひとりだけで犬舎の車に乗って、父ちゃん、ソーラをぎゅって抱きしめて「ちょっとの間の我慢だからな、ソーラ」って言ったよ。
そして、ソーラはIさんたちと行っちゃったんだ。
ぼくはちょっと拍子抜けして、安心もして、それまで凄く緊張してたから、家の中に戻ったらすぐに寝ちゃったんだ。
目が覚めたら、なんか家の中の感じが違うんだ。あれ、どうしてだろう?
そっか、ソーラがいないんだ。
時々うざったくなるぐらいの「遊んでなのー」攻撃もないし、あのいい匂いもしないよ。ぼくと一緒にいっつも父ちゃん見つめてたソーラがいないんだ。
ぼく、家の中のあちこちの匂い、くんくん嗅いだよ。ソーラの匂いがするところ見つけたら、そこ、ぺろぺろ舐めたよ。
ぼく、不安になって父ちゃんに訊いたんだ。父ちゃん、ソーラ、帰ってくるよね?
「3週間ぐらいしたら帰ってくるよ。そしたらまた、遊んで遊んでってしつこいぞー、ワルテル」
それ聞いたら、ぼく、また安心して、父ちゃんの足下で眠ったんだ。
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by walterb
| 2008-08-09 09:29
| 日常